募金に関して
2011年04月16日 16:28
作者:正明
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結婚前宣言

 

 僕の全てをさらけ出す。それが、僕なりのアピールだ。

 三月一日、僕は退屈だった高校生活から脱却することができた。卒業だ。

 高校生活、本当にくだらなかった。大人になりつつある微妙な時期に全く知らない人々と出会い、生活を共にする。最初は楽しいと思っていた。ただ日が経つに連れて、お互い化けの皮が剥がれて来て出会って数ヶ月の中で傷つけ合う。ターゲットを作る。ターゲットにもなる。そんな連中と一緒にいるのがたまらなく嫌だった。

 仲の良い奴も、もちろんいた。ただ俺の中で楽しさはいらつきには勝てなかった。

 とにかく、僕は嬉しかった。あとは仲の良いやつと楽しくして行けば良いのだから。

 そんなとき、クラスメイトだった女の子からメールが来た。借りてたものを返したいという内容だった。僕は高校時代、この子のことが少し気になっていた。ただ、前に踏み出す気はなかった。

 僕はすぐにメールに返信した。いつ取りに行けばいい?するとじゃあ、明日。ついでにお昼も食べようよ。と誘われた。僕はじゃあ車で行く?と尋ねると待ってましたとの返信。

 僕も一緒に昼でも行けたらなぁと考えていたのでびっくりした。約束を取り付けた後、少しニヤついていたかもしれない。

 当日、僕はその子を車で迎えに行った。彼女は別に意識なく、助手席に乗った。僕はドキドキしていた。しかも僕の車は軽自動車。密着感が半端無い。

 最近開店したというバイキングのお店に入る。女の子にバイキングってどうなのかなって思ったけど、正直、持ち合わせも少なかったからどうしようもなかった。情けない。

 彼女は嫌な顔一つせずお店に入り、料理をおいしいと言ってくれた。良かった。

 そこでいろんな話をした。もちろん、高校時代のことも。実はあいつが嫌いだった、とかこんなことがあったとか。嬉しかった。そうやっていろんなことを話してくれることが。彼女は別に特別な意識はしていないと思う。それでも、嬉しかった。

 その後、店を出て、いろいろ回ってから送っていった。どの店でも、僕が少しだけ多くお金を出した。

 帰宅してから、僕の中でモヤモヤした何かが生まれたことに気付いた。それは何をしていても、何を考えようとも消えようとはしなかった。

 このモヤモヤはなんだろう?

 はっきり言って、答えは分かる。だけどそれを「答え」と決め付けるにはまだ早いと思う。僕なりの、本気になれる為のけじめを付けたかった。

 僕は高校時代、一生結婚しないと豪語していた。人生は一度きりだ。前世や後世なんて言葉がある以上、人は生まれ変わるのだろう。しかし、僕がここに存在していられるのは、この人生一度きりなのだ。

 だから僕は一生夢だけを追いかけて生きていくと誓っていた。大人はだれもがそんなに甘くない、と言うだろう。だけど、冒険心なくしてなにが人生だ。「人生」を「人が生きる道」と解く人がいる。そうじゃない「人は生きている」だから。何一つ同じ人生はないんだ。だから夢を追いかけて生きる。それが僕の人生だと思っていた。

 夢を追いかけるために僕は結婚だけはしたくなかった。人生の伴侶となる妻。出来るかどうかは分からないけど、子供。その全てを自分の追いかける夢に巻き込むのが嫌だったのだ。

 ただ、中学時代に「こいつとは全てを投げ打ってでも結婚したい」と考えた子がいた。惚れた腫れたの話じゃない。同じ教室で時間を共にする中で「ああ、こいつとはずーっと一緒にいたい」と感じさせてくれる子だった。まぁ、叶わない夢だったのだけど。しばらく引きずっていたなぁ。

 今回の子もそういう匂いのする子なのだ。一緒にいて落ち着ける。ずっと一緒にいてもらいたい。そうに感じさせてくれる子なのだ。

 だから彼女を「愛す」と認識する前に、けじめをつけなければならない。

 僕は全てを投げ打ってでも、たとえ夢が追いかけなくなろうとも、彼女を一生愛す。

 僕の中での結婚前宣言だ。

 こうしないと、彼女に向き合う資格がないのだ。彼女の前でも男であり続ける。大きな何かを得るとき、自分を曲げることも必要なのかもしれない。

 そう、僕はまた一歩大人への、いや男への階段を上ったのかもしれない。

 彼女を幸せにしたい。僕は努力を惜しまない。

 世界一のおしどり夫婦になってやるんだ。